弓と禅を読了。
明治政府の依頼で東北大学の哲学科教授に招聘されたドイツはカント派の哲学者、オイゲン・ヘリゲルが、日本において修行した弓について、その修行の模様と蘊奥としての禅の思想について述べた本。
日本という国が、その時代から一巡して、今後ドコに行くのかよくわからない、という時期に読むことで意義が増す本だと思った。
ヘリゲルは弓聖といわれた阿波研三に教えを乞うた。そしてその教えは論理哲学を標榜するヘリゲルにとっては驚天動地のパラダイムであった。曰く、
:的を狙ってはいけない
:矢を放してはいけない
:矢を放すのではなく、笹に積もった雪が自然に落ちるように、矢に行かせなさい
:力を入れてもいけない
:貴方が射るのではなく、「それ」が射る
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