作家の池澤夏樹が世界文学の古典から現代作品を取り上げて、その解析を行った京都大学での講義を本にしたもの。
取り上げられている作品は
スタンダール パルムの僧院
ドストエフスキー カラマーゾフの兄弟
トルストイ アンナカレーニナ
メルヴィル 白鯨
ジョイス ユリシーズ
マン 魔の山
ガルシアマルケス 百年の孤独
マークトウェイン ハックルベリ・フィンの冒険 等
これらのうちの一つも読んだことがなかったのだが、ストーリーが簡潔に説明されているのでどんな話かはわかる。しかし、これを読んだからと言って本作を呼んでみようという気には、正直ならなかった。
世界的な名作のストーリーが簡潔に学べるというよりも、小説というものに対する向き合い方、文学を楽しむときのスタンスの取り方を学べる、というのが本書のよさではないかと思う。
考えて見ると小説って、ストーリーそのものは非常に単純だったりする。
例えばアンナカレーニナというのは、貴族の若奥さんが若い軍人と恋仲になって家出して二人で暮らし始めるが結局はウマく行かなくて最後には列車に飛び込んで轢死する、というまあたわいもない話なのであるが、それをストーリーの面白さとして求めてしまうと結構苦しいので、まあその他のポイントから楽しむということなのですが、それが小説の楽しみ方なのだな、と思った次第です。
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