Monday, September 10, 2007

9/11 デジタル・コンバージェンスの衝撃 齋藤茂樹


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■オンデマンドテレビが浸透すると現在のウィンドウ展開の仕組みも変わるかもしれない
- 現在は大ヒット作があるとだんだんにDVD化、テレビ放映と収益力の少ないウィンドウにシフトしていく
- それに対して、オンデマンドテレビはニッチに向けた情報発信が出来るので華氏911みたいなニッチコンテンツを、最初にオンデマンドテレビでリリースしておいて、人気が出るようならネットワークのロードショーにもっていくという低リスクのコンテンツビジネス展開が出来るかもしれない
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■ライブドアが狙ったのはポニーキャニオンのコンテンツではなく、コンテンツを作って売る仕組みである
- もともとポニーキャニオンがもっているのはDVD化権であってブロードバンドでの配信権を持っているわけではない・・・そんなことは彼らも知っていたはず
- 彼らが狙っていたのは自社で作ったコンテンツをポニーキャニオンの流通ルートに乗っけて販売すること・・・さらには自社で開発するコンテンツにポニーキャニオンの知恵を入れたかったということ
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■オプティキャストというテクノロジーを使うと、通常のチャンネルなら500、ハイビジョンでも100チャンネルほどを有線で提供できる
- オプティキャストとは、同軸ケーブルの代わりに光ファイバーを使って光周波数多重方式と呼ばれる技術のこと
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■パソコンをテレビとしても使う、という考え方には無理がある
- もともとパソコンに用いられているメモリーは画像処理には向いていない
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■オンデマンドテレビで人気の出るコンテンツは、1:キラーコンテンツ、2:過去コンテンツ、3:教育、4:草の根、だろう
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■ 草の根コンテンツで言えば、たとえばニッチに人気のあるインディーズのバンドなどはありうる
- 全国的な人気のあったインディーズバンド、モンゴル800は、いまでは沖縄に活動拠点を置きながら定期的にCDを発売し、ライブ活動を行っている
- 彼らのように、地元密着型で活動したいと考えているインディーズバンドは多い
- 後は、孫の映像を見たがる祖父母と、それらの映像を共有するといった仕組みがありうる
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■ラジオ放送は、もともと一対多の無線通信というコンセプトだった
- もともと無線は一対一の通信だった
- これを一対多にすれば布教に利用できると考えた牧師のチャールズ・カフリンが、一対多の「放送」を開始した
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■アメリカのテレビ業界を特徴付けているルールに「フィンシンルール」と「プライムタイムアクセスルール」の二つがある
- フィンシンルールとは、外部制作会社の作ったコンテンツの権利を、テレビ局は保有できない、としたルールである
- プライムタイムアクセスルールとは、4時間に1時間は三大ネットワークの作った番組以外の番組を流さなければいけないというもの
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■日本における「キャズム」は利用者数300~500万人くらいのところらしい
- DVD、ISP、携帯電話、ADSLでは利用者が100万人を超えるまでに数年を要しながら、その翌年には500~800万人に利用者が拡大し、さらにその次の年には1500~2000万人まで一気に普及する、という非常に似通ったカーブを描いている

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