この仕組みは、高度経済成長時代に、船が一年の航海の疲れを休めつつ、船体についた藤壷やさびを落として新しい航海に出かけられるのと同じ様に、働き盛りの人々が、その体を隅々まで検査するドックの様な仕組みが必要であるという、一種の国策から生まれました。行政サイドから見てみれば国民の生産力を最大化するための一つの方策、ということであったかも知りませんが、動機はともかく、制度としては非常に優れていると思うのです。
この検査が、健康保険に入ってさえいれば3万円から5万円程度で受けられることを、日本人のほとんどが何とも思っていない・・・むしろ「高いな〜」と思っているようなのですが、例えば米国で同様の精密検査を受けようとすると1万ドル以上かかると聞いたら、どのように思われるでしょうか。事実上米国の健康保険制度は破綻しており、我が国でも近い将来米国の様な状況に陥ることが懸念されていますが、ベースとして健康保険関連で国民が享受している行政サービスのレベルが、そもそも米国は桁違いに低いことをまずは知っておくべきではないでしょうか。
日本の政治や行政は、いわゆる「進歩系マスコミ」(苦笑・・・)と、それに踊らされやすい人たちのおかげで実態以上にひどい状態と考えられていますが、様々な社会的な指標、つまり乳児死亡率や、一人当たりの医療費、犯罪率、文盲率、一人当たり生産力といった数値をみてみれば、様々な問題を抱えいたとしても、まずは世界トップレベルのバランスを維持した、たぐいまれに優れた社会であることを認識しておくべきです。
かといって問題がまったくないわけでは、もちろんありません。個別個別に見ていけば、たくさんの課題はあるでしょうが、かといって良い点をすべて無視していい訳ではありません。他国に範を取るとしても、その国の良い点悪い点があって、しかもそれらが表裏一体をなしていることを、我々はゆめゆめ忘れてはならないと思います。
と書いたとたんに中川さんがヘベレケ会見の責任を取って辞任・・・・うーn。
ある意味、政治家がここまでダメなのにちゃんと機能している日本って特殊な国なのかも知れません。
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