Tuesday, October 16, 2007

10/17 なぜデザインなのか。 原研哉 阿部雅世

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■デザインはそもそも権力・パワーの誇示が目的だった
- デザインはフリルじゃないといわれるけど歴史的には98%フリルだった
- 装飾こそがデザイン、という考え方
- プレーンな青銅器とかは無いわけ
- 村とか国とか、共同体を維持するための求心力を表象するものが必要
- 稠密な文様とか複雑な模様は、修練を積んだ人が膨大な時間をかけないと出来ない・・・・
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■デザイン、という言葉が矮小化されつつある
- そもそもものづくりの知恵を表す言葉
- だから「デザイン家電」なんていう言葉は、短絡的な消費主義的発送が見えて浅くて悲しい
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■脳が考えたことをそのまま表面に出すこと・・これがドローイングの訓練
- 恥を忘れることが大事
- バウハウスのヨハネス・イッテンは造形体操で、体が作り出してしまう、しでかしてしまう表現をそのまま表出させる訓練をさせた
- これは、恥の意識でフィルターをかけることを取り除く訓練
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■新聞を季節で衣替えさせてもいい
- 見出しや罫線、本文の書体を涼しげなものと暖かいものを用意して季節に応じて使い分ける
- 夏はタイトルに朝顔がまきつき、冬は雪が積もったりツララがたれたりする
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■あるべき状態でデザインされるべき
- タバコやチューインガムのパッケージなんてくしゃくしゃになっている状態を目にすることのほうが多いのに、そういう状態を想定したデザインがされていない
- ブルーノ・ムナーリは料理用のへらとか靴のかかとは最初から磨り減った形にデザインしておくのが正しい、と言っている
- 磨り減った、のではなく成熟した状態という考え方
- ポスターをデザインするときは、実際に施策を壁に貼ってみたりバス停にある状態にしてみてそれを写真にとってプレゼンする
- 紙袋は、それを持っている人がバス停に並んでいるところや、それが打ち捨てられて水溜りでぐずぐずになっているところなんかを写真にとって提案する・・・それでリアリティが出てくる
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■デザインの創造性は「問い」にかかっている
- いい問いが見つかれば、いい答えが見つかる
- いろいろと知恵を絞っているのは、デザインで解くべきユニークな「問い」を探しているということ
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■パリにはトレンドセッティング委員会というのがあって、トレンドは自発的に作られる
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■居住空間の心地よさは面積ではなく体積
- 昔すんでいた同潤会のアパートは狭かったけど天井高が3.5メートルくらいあった
- そこで思ったのが空気の量が心地よさなんだな、ということ
- 同じ広さでも天井が低いと圧迫感がある・・・いまは何でも平米で見るでしょう、あれを体積で見るようになるといろいろと変わってくると思う
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■日本の緑は世界的に見ると石油に匹敵するような財産
- 水をまかなくてもこれだけの緑が勝手に映えてくるというのは石油に匹敵するくらいの財産
- ドイツは森がものすごく豊かだけど全部植林
- 一本木を切ったら一本植える、という法律がある
- ティアガルテンというベルリンの森を窓から見ると毎日毎日スプリンクラーで水をまいている・・・そうしないと芝生も木も枯れてしまう

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